👉令和8年宝塔様

毎年4月末に大野川鶴瀬地区の堤防上に祀られている宝塔様で水難者慰霊祭が行われます。
今年は4月28日の10時から開催です。
それに先立ち、R8年度より鶴瀬地区会長になられた得丸(定子)氏が宝塔様に先立ち宝塔様のいわれと、そのもとになった大水害について資料を作成され、宝塔様当日に配布される予定になっています。
その資料をここにアップさせていただきました。

鶴瀬自治会長

今年のウナギ、アユの放流体験では先頭を切って参加されていました
(最前列左) 得丸さんの畑でいもほり体験をしました。  (2024-11-9 撮影)

大分郡高田村「法華塔(宝塔様)」 鶴瀬自治会会長 得丸定子

PDFで当初掲載したのですが、字がみづらいような気がし原文で再掲載しました。
(最後にPDFでもアップしています)


【文久2年8月大風雨・洪水】大分郡高田村 法華塔(宝塔様)

引用:大分県データアーカイブスより

災害番号:002080|固有コード:00208011

概要(被害)】

大野川の氾濫を鎮めたいという思いが込められ建てられた宝塔。経文を一文字ずつ書き込んだ69384個の石が石碑の下に収められている。「慶応3(1867)年常行村の常仙寺では、堤防に一字一石の「法華塔」を建立して毎年春秋に堤防が長もちするように祈とうを勤めたいと願い出てこれを許された。」

【碑文内容
 大分市高田地区では、たびたび氾濫や堤防の決壊が発生し、多くの人が犠牲になってきた。特に文久2年(1862)8月11日に発生した洪水では、大野川が氾濫し、流出家屋307戸、死者36名の被害が発生したが、今後そのようなことがないよう、願いを込めて建立されたものである。

(大分市防災局防災危機管理課提供)【出典:大分市史編さん委員会(1987)『大分市史 中巻』大分市】

【災害概要】

閏8月11日大風雨、児玉氏雑記に「前々日より辰己風烈しくまた北東風に廻り益々雨風烈しく、洪水35尺、大野川所により52尺、高田堤防4ヶ所にて796間、流家307戸、この内居屋52,半壊など多し、流死男女36人、牛馬23頭、耕地荒廃、救助の金殺夥し」。
 池辺弥三郎手記に「8月11日夜5つ時より大洪水にて床上1尺5寸、粟土より堀出し高田大鶴土手150間程切れ流家、死人数を知らず、鶴崎大損害三軒町、横丁、国崇、家流失、関所切れ死者14~15名、剱宮鳥居倒る。同9月より高田大鶴土持あり、毎日大勢集り車、ざるなどで運搬せり。
同年7月より8月まで、コロリ(コレラのこと)と申す病流行す。(豊後鶴崎町史)

【出典:大分県災害誌 資料篇(1952)、大分県災害誌(調査編)】

【主な被害】

大分郡高田村 高田堤防:大雨による洪水で、4か所796間決壊。307戸が全壊もしくは流出、そのうち住家は52戸。半壊など多かった。死者36人、牛馬の死23頭。耕地は荒廃した。

大野川:大雨により5丈2尺まで増水

大分郡鶴崎村横丁:大雨による洪水で、家屋の流出があった。

大分郡鶴崎村関所:大雨による洪水で、堤防が決壊。

大分郡鶴崎村国崇:大雨による洪水で、家屋の流出があった。

大分郡鶴崎村三軒町:大雨による洪水で、家屋の流出があった。

大分郡鶴崎村 剣宮:大雨による洪水で、鳥居が倒壊。

大分郡高田村大鶴:大雨による洪水で、土手が50間ほど決壊。死者がどれくらいかわからない。

大分郡鶴崎地方:暴風雨により洪水が発生した。足米(労働として課せられる税を米で払ったもの)585石を支給した。被害が大きかった。

大分郡鶴崎村:大雨による洪水で、大きな被害が出た。

大分市の東部に位置する高田地区は大野川、乙津川の二つの川に挟まれた地形(輪中)であり、昔から水害の多い地域であった。人々は長い間、大野川の氾濫とたたかい続けてきた。その大野川の土手沿いに一字一石の法華塔がある。

法華塔(宝塔様)碑文

 川沿いに建てられたこの古い石碑は慶応3年(1967年)に建立された。堤防の決壊により田畑、家財を流失、また溺死した人々を思い悲しむ声を聞いた常仙寺住職の日宣上人が、高田村の檀徒である首藤道英・道猛父子と語らい建立したと伝えられている。

 大野川の反乱が鎮まり、住民の苦しみがなくなることを法華経に願いを託し、経文の一字ずつを一石に書き込めて法華塔の下に収められた。

法華経全巻約七万字に上る膨大な写経石に込められた祈りは、聞く人々の心を打った。明治3年、儒学者毛利空桑はそうした人々の感動をこの法華塔にさらに碑文として刻んだ。

近年の昭和18年・20年の大洪水は今も人々の記憶に残っており、現在でも法華塔への思いは大切に継承されている。毎年4月28日に、鶴瀬地区をはじめ高田校区の人々が参集し、日蓮宗一乗寺上人の導師による読経が捧げられ、鎮魂と防災への祈りは守り続けられている。                                                 

(大分県杉本通信員の記事をもとに作成)

PDFでの資料

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