まだまだ気力が満ちあふれています。 令和6年6月21日自宅にて撮影


高橋さんのモットー》高田は輪中地帯である。水が出れば一人では何もできない。
       みんなが一体となって団結する必要がある。運命共同体である。 

[※元校区自治会長ですが、親しみを込めて高橋さんで話を進めていきたいと思います。]

高橋さんの任期中の日本、高田の出来

※当HP高田の自治会長より抜粋                                    

高橋康夫氏

私が高橋さんのことを最初に知ったのは、大野川水害について調べていた際に、総務省ホームページのサイト「高田地区防災システム導入に至った経緯」を発見し[防災システムについては後で述べます]、その中に高橋さんが大分合同新聞の記事に出ていたことからです。いつかお会いしその当時の流れ、考えを知りたいと考えていたのです。また、「高田びわのす通信」のなかで「<高田の歴史>高田校区 歴代自治部会長 <昭和29年~平成28年まで>」歴代 高田校区自治会長をホームページにアップするときに高橋さんの任期中のことを調べたのですが、高橋さんの任期中に今でも残り引き継がれているものが特に多くあることに気づきました。 
例えば、先に書いた防災システムではテレビの11チャンネル有線放送(OCN)で乙津川、白滝橋、大野川の水位情報等がリアルタイムでみれます。
 また、鶴瀬、丸亀地区の堤防下にできた植樹帯は、東京の国交省にまで設置の陳情に行き植樹帯を完成しました。
 高橋さんの任期中に「つるさき七輪のまちづくり協議会」も発足し多くの行事がスタートしたのですが、高田からは高田独自で行っていたウォーキング大会を高田だけで終わらせるのはもったいないということで高橋さんが鶴崎地区の7校区で一緒にやろうと「つるさき七輪ふれあいウォーク」がスタートしました。ただ、断念なことにコロナ以降の参加者の減少で令和6年度をもって中止になるそうです。
 また、高田の歴史散歩に利用されている「高田校区歴史散策マップ」も高田が発案し、それが他の鶴崎7校区自治会に広がっていったそうです。
 高田校区のまちづくりとしては子供たちが直に魚に触れ、魚の生態を知ってもらいたいと平成16年に高田小学校四年生の「ウナギ、アユの放流体験」が実施されました。
これらは高橋さんの実績の一部かもしれませんが、高橋さんは平成16年から平成24年の8年間、高田校区自治会長として高田校区のため尽力されてきました。その間には日本では東北大地震、高田校区では関門、堂園のポンプ場の建設、堂園公民館竣工、校区七輪のまちづくり協議会の発足と多忙の任期期間でした。そして退任され10年余がたちました。
 ここで、その期間の業務を直接仕切ってきた高橋康夫元校区自治会長にその当時の苦労話を直接聞いてみたいと思い、高橋康夫氏の知り合いに仲介を依頼しこの度その要望がかないました。

👉歴代高田校区自治会長 👉歴代高田村村長


《高橋氏と高田》
高橋さんは仕事の関係で大分に来られ高田に居を構えられたのは昭和48年(1973年)です。そしてまもなく常行の自治会長を頼まれ、常行自治会では会計を2年されたあと、平成16年4月に校区自治会長に選出されました。



任期中の歩み (平成16年~平成24年)

高橋さん任期中の活動

皆で進めた輪中高田の歩み (高橋さん作成)

任期中の高田の公共施設他 


高田校区自治会・高田校区まちづくり協議会の動き (平成16年~平成24年)

  • 平成19年  樹林帯の設置
  • 平成17年 防災システムの導入
  • 平成17年 第1回 鮎、うなぎの放流体験学習
  • 平成17年 琵琶洲地区街づくり協議会発足
    平成18年 つるさき七輪のまちづくり協議会
  • 平成18年 高田校区歴史散策マップ作成
  • 平成18年 第1回 琵琶の洲ウォーキング大会
  • その他  

    高橋さんの任期中に多くの初めてのプロジェクトが実施されていますが、高橋さんにとって8年間の任期中の特に印象深い出来事は、樹林帯の建設と防災相互システムの設置だったそうです。 高橋さんもこの件が印象深かったのだろう、樹林帯の設置の件から話を始められました。まずは「樹林帯設置の経緯」から話を進めていきたいと思います。

❶ 丸亀地区樹林帯の設置について  L=1,100m 

樹林帯  

樹林帯とその効用

(国土交通省九州地方整備局の資料から引用)

樹林帯の効果

  • 破堤部への洪水の進入をおさえるため、破堤部の拡大を抑制できる。
  • 氾濫する水に立ちふさがるため、水の勢いや氾濫流量を抑制できる効果があります。
  • 水の勢いを弱めるため、地面が掘り下げられるのを防ぎます。

丸亀地区樹林帯の位置図

(国土交通省大野川出張所の資料から引用)

丸亀地区樹林帯の現況写真

丸亀地区の堤防を守り続ける植樹帯

樹林帯設置の経緯

亀甲の地元から「洪水時の増水で堤防がゆらゆらと揺れ不安を感じるのでどうかできないか」との要望が出されていました。また、平成17年ごろに大分市の提案で地球温暖化対策の一貫として、植樹をやろうという話も出ていました。そこで高田、県、市が一緒になり、洪水で堤防が何度も破壊された丸亀地区の堤防下が検討されました。そして平成16年10月に樹林帯を設けることを目的として水害対策期成会を発足させ、平成17年2月、東京の国交省の本庁まで地元の2500人の署名をもって陳情に上京しましたが、計画を受け入れてもらえませんでした。理由を問いただすと、「かって樹林帯の計画をしていたが地元の反対で中止になったのです。また反対があり中止になった場合、誰が責任を取るつもりですか。」その時、高橋さんは「私の責任で地元を説得し、問題が発生すれば私一人ですべての責任を負います。」と返答しましたが、結局良い返事はもらえず大分に失意のまま帰県しました。
 しかし、3~4か月して計画を承認する書面が届きました。
それからはみんなの賛同をもらい工事が進められるよう高田8自治会の会合に出席し説明を繰り返しました。そして平成21年11月に着工し平成22年6月に完成しました。

 完成した植樹帯に平成21年、22年にわたり植樹祭が開かれました。その後、イベントとして平成28年に剪定作業が予定されていたのですが、天候不順のため中止になりました。

水害対策期成会大野川水害対策協議会
 平成16年に樹林帯を設けることを主な目的として水害対策期成会が結成されるが、樹林帯の完了とともに解散する。しかし高田という特別な地区環境を考慮すると水害対策全般を目的とした協議会が必要であるということで大野川水害対策協議会を新たに設置した。

市民植樹祭 第1回(平成21年)・第2回(平成22年)  

植樹帯の工事が完成し、令和21年、令和22年と丸亀の堤防下で植樹祭が再開されました。28年にも予定されていたのですが残念ながら悪天候のため中止になりました。
この植樹祭の様子がHP[みどり夢銀行通信]にアップされています。

※ 「みどりの夢銀行(通称:どんぐり銀行)」
どんぐりを拾うことで自然とふれあい、森に親しんでもらいたいと、大分市の『みんなの森づくり事業』の一環として、平成19年10月に「みどりの夢銀行(通称:どんぐり銀行)」としてオープンしました。

👉 第1回みんなの森づくり市民育樹祭(平成28年開催案内)
👉 第1回みんなの森づくり市民育樹祭(平成28年 雨天中止後の案内)
👉 みどり夢銀行通信

平成21年 第1回市民植樹祭 高田丸亀にて開催 


廣瀬知事、釘宮市長が出席し、平成21年、11月 22日 植樹祭が開催されました。

平成22年 第2回市民植樹祭が開催

平成22年11月20日に第2回目の植樹祭が開催されました。

❷ 防災システムの設置について 平成17年8月導入

丸亀地区の堤防に関しては植樹帯、護岸工事等の水害対策が進んでいたのですが、住民や消防団から大雨が続くと、堤防に行き水位を確認するのは非常に危険でそれに対する対策を考えてほしい。という要望が出ていました。
これに関し自治会ではビデオカメラで常時水位を確認ができないか、とテレビ局や有線業者に声をかけてみましたが、どこも採算が合わないと相手にしてくれませんでした。
そこで、明野の大分ケーブルネットワーク(OCN)に相談すると、「現状では採算が合わず契約できないが、高田の住民がケーブルに加入してもらえれば可能になるかもしれない」と言われ自治会が各家を駆けずり回り加入戸数を確約し、OCNにシステムの設置をお願いしました。
そのOCNの取組状況はOCNが総務省に出した「高田地区防災システム導入に至った経緯」の資料でわかるとおもいます。
 これらの努力の結果、平成17年8月システムが導入されました。
現在、大雨が降ると河川の水位を簡単に有線の11チャンネルで確認できるようになったのは高橋さんの尽力の賜物といえます。

高田地区防災システム導入に至った経緯<OCN・総務省資料より>

これはCATVなどを使った双方向の防災システムを高田地区に設けるために総務省に提出した資料と思われます。非公開かとおもったのですが、ホームページにアップされていたのでリンクさせていただきました。
下記のコードをクリックしてください。(同じ文字が出るので再度クリックしてください)

< https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/yusen/pdf/070809_1_1_6.pdf >

防災システム導入 大分市高田  〈大分合同新聞記事より〉

写真は当時の高橋康夫氏

     防災システム導入時の大分合同新聞の記事

大分市の高田地区に、CATVなどを使った双方向の防災システムが導入された。
専用チューナーや告知スピーカーを備えれば、自宅のテレビで河川の水位を確認でき、緊急時の避難通路や確認応答も速やかに行える。

今月の台風14号による河川増水の際も効果を発揮した。
高田地区は大野川と乙津川に囲まれた中州。過去に多くの水害に見舞われ、輪中集落の景観を残すことで知られる。住民の防災意識は高く、昨年秋に大野川水害対策期成会(会長・高橋康夫高田校区自治部会長)を結成。
「災害時には情報の共有が重要」と大分ケーブルネットワーク (大分市小池原)の協力でシステムを導入した。

同社と校区公民館などから、インターネットのホームページを使って加入世帯に情報を発信。同社が設置したカメラ二機と国土交通省から提供される映像で、計三地点の水位を確認できる。
さらに「広報車の巡回では風雨の音で聞き取れないこともある」として、約百戸に避難勧告を知らせるスピーカーを設置した。普段は自治会、老人会、PTAなどの情報を集めたコミュニティーサイトも利用できる。
世帯数約二千二百に対し、加入世帯は現在約三百。高橋会長は「システムがさらに普及し、安全・安心のまちづくがめば」と話している。

〈〉

❸ 鮎、うなぎの放流体験学習、平成15年5月 第1回開催

高田校区まちづくり協議会(大野川水害対策協議会主催)の鮎、うなぎのウナギ放流体験学習が毎年、高田小学校4年生と合同で実施され子供たちに喜ばれています。この鮎、ウナギの放流体験学習が開催され始めたのが高橋元自治会長の平成15年の5月からです。この放流体験を始められた元高橋校区自治会長にどのような理由から始められたのか、また実施するにあたりどのような苦労があったかを聞いてみたいと思います。
 高田小学校は周りを川で挟まれた輪中地帯です。ところが、かっては魚釣りや川遊びで川と触れあってきた子供たちもプールの設置や、川での水難事故の発生などで川で遊ぶことや魚や川の生物と触れ合うことがなくなってしまったと言われています。そこで子供たちに魚や川の生物に触れ合う機会、またその生態について学習する機会を与えたいと自治会で決議し実行に移りました。
放流猿魚については自治会の知り合いが佐伯にいるとのことでそこから仕入れることにしました。また、生態や河川についての学習については国土交通省や漁協が協力してくれました。

なお、第一回はアユの放流体験でしたが、第二回以降からはアユ、ウナギの放流体験になりました。そして、コロナの期間は中止や座学になりましたが、そのまま引き継がれており今年で第21回目をむかえました。初めて参加された方は31歳になります。

ことしの放流体験学習の様子<令和6年4月>
魚の生態や大野川についての授業 (大野川防災センター)

アユ・うなぎの放流体験 (大野川川添橋上流)

❹ つるさき七輪のまちづくり協議会発足と「琵琶洲地区街づくり協議会」

七輪のまちづくり協議会が平成18年に発足しました。つるさき七輪のまちづくり協議会とは(三佐、鶴崎、別保、明治、高田、松岡、川添)の7校区が各自で、また共同で協力し合って地域振興活動を進める集まりです。
この「つるさき七輪のまちづくり協議会」が高橋元会長の時に始まりました。
平成17年に高田地区では「琵琶洲地区街づくり協議会」が発足しており、「つるさき七輪のまちづくり協議会」の発足の発端となったのではと思われます。
そして、平成18年以降の「高田校区七輪のまちづくり協議会」、「高田校区まちづくり協議会」と繋がっていきます。

❺ 高田校区歴史散策マップ作成

つるさき七輪のまちづくり協議会発足とともに高田校区の歴史マップも同時に作成されています。
その「歴史マップ」は当時各家に配布されたように思います。
このMAPは歩きながらでも使用できるように、13cm角ほどのCD並みに折りたたまれていました。

高田校区でつくられた歴史マップを他の6校区もにつるさき地区七輪のまちづくりの一環として「歴史マップ」がを作成しました。

この歴史MAPを利用して高田校区内歴史散策スタンプラーリーなどはいかがなものでしょうか。

各校区の歴史マップは下記の大分市のHPにアップされているのでそちらをご覧ください。
👉 つるさき七輪の街づくり「歴史マップ」をご活用ください[大分市HP]


高田校区歴史マップ

❻ 第1回琵琶の洲ウォーキング大会の開催

琵琶の洲ウォークは高田から始まり、つるさき七輪のまちづくりに引き継がれたと聞いていますが、そのあたりの経緯を知りたい。

 高田では平成19年(2007年)2月、第一回琵琶の洲ウォーキング大会を開始しました。開催の当日は料理教室などがおにぎりや豚汁をつくったり、ポイントごとに、水や菓子を出してくれたりしていました。参加者も今では考えられないほど多く大いににぎわっていました。高橋さんはこのウォーキング大会を高田だけで終わらせるのはもったいないと、第5回(平成23年2月)からつるさき七輪ふれあいウォークとして鶴崎地区全体のウォーキング大会として発足しました。

令和5年度 第10回七輪ふれあいウォーク 2月27日開催 

❼ その他

1・公民館のエレベーターの設置 
(平成18年7月)

年寄りや足の弱った人は公民館の二階に上がることが困難であり不満が出ていました。しかし、当時公民館にエレベーターのある所はなく現在でも2,3か所ぐらいではないでしょうか。しかし、高橋さんは各自治会を説得し、大分市6割、地元4割負担で設置を決めました。

     2・JA前の信号機の設置
       (平成22年6月)
  JAの鶴崎側の東陽中学入り口交差点は通学で歩行者が多い。そこの横断歩道を利用している人たちから信号機をつけてもらわないと危険だ。と意見が出ていました。そこで早速、東警察署に設置を要望するが下徳丸の交差点に近いため、この近距離で二つの信号機の設置はできない。と許可が降りませんでした。しかし、まもなく事故が発生しあわてて信号機を設置しました。高橋さんが依頼した段階で設置しておれば事故が発生せずに終わったのにと残念でなりませんでした。

3・高田小新一年生へ防犯ブザーの配布
(平成18年7月)

平成15年4月から高田小学校新一年生に防犯用ブザーを配布しました。これは今なお続けられています。
これは当初、高橋さんが常行自治会の高田小新一年生に始めたものですが高田校区全体に広がったものです。

4・内水排水ポンプの設置(鶴瀬・亀甲)
(平成19年6月)

丸亀、鶴瀬からの排水は地区内の排水路を辿って高田橋手前の排水門のところに到着します。しかし、洪水時はゲートを閉めると堤防が高いため強力な内水排水ポンプの設置が必要でした。そのため、国交省と交渉し堤防上に発電機を設置し内水を排水できるようにしました。

5・育成クラブの増設
(平成22年5月)

育成クラブは当初、高田幼稚園の一角に小さな建屋で実施されていました。しかし、手狭になり自治会に協力依頼がきていました。そこで自治会が動き土地の取得を得たのち、育成クラブの増設を行いました。      

終わりにあたり

数日にわたる聞き取りにいやな顔もせず誠実に答えていただきありがとうございました。これからも健康で高田を見守りください。