〈2024₋06₋11〉
年金手帳、家、土地の権利書、通帳と印鑑どこにあるか知っていますか。奥さん任せになっていませんか。どちらが長生きするかは誰もわかりません。
また、厚生労働省の資料によると認知症の高齢者は来年2025年には471万6000人となり、2040年には、584万2000人にのぼると推計されています。高齢者のおよそ15%、6.7人に1人が認知症と推計されます。「軽度認知障害」の人を推計すると2040年には612万8000人にのぼるとしています。
ただし、「軽度認知障害」の人は、認知症に移行することが多い一方で、運動や栄養状態の改善によって症状の進行スピードを抑制できる可能性もあるということです。
今日の話によると、認知症になると銀行でのお金の引き落としや土地、家屋の売買の契約行為、遺言等ができなくなってしまいます。その時では時すでに遅しです。
今日は 金融広報アドバイザー 阿部 豊志氏による「幸せな終活とは」について講話をしていただきました。
講座 「終活について」
画像で見る講座の様子
開会式
講話中
講話
参加者の年齢が下記の寿命に近いことを考慮すると終活を考えてみることも大事だと思われます。
- 平均寿命は何歳でしょう? (2021年)
男性 81.47歳
女性 85.57歳 - 健康寿命は何歳でしょう?
男性 70.42歳
女性 73.62歳
健康寿命と平均寿命の差が「不健康な期間」この期間が短いほど生活の質が良くなります。 - 高齢化率 〈総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢者人口割合)〉
29%(2022年) - あなたは何歳まで生きたいですか?
ある調査によると回答者の平均希望寿命は81.79歳
(平均寿命とはあまり変わらないような気がします。)
幸せな終活を考える
あなたが考える幸せな終活とは
- 老後を安心して過ごせる。
住まい
介護・認知症 - 葬送を考えている。
葬儀
墓 - 死後、相続争いがない
老後のお金
- 老後の一月当たり最低予想生活費 27万円
- 年金支給時に最低準備しておく貯蓄残高 2080万円
(金融広報中央委員会の調査)
望む生活水準
- 現状維持(現在の生活水準を維持する)
- ゆとりある生活がしたい
- 我慢する
しかし、必要な生活費と所得の間に大きなギャップがあるように思われます。所得は増えないうえに物価が上がります。
特に、老後は年金生活者が多く所得は限定されています。良くて現状維持、大半の人が生活を切り詰め所得に応じた生活設計を立てる必要があります。
老後の生活
老後の生活設計を考える(特に一人暮らしの方や親類のいない方)
- 住まい 自宅・賃貸・老人ホーム等
一人暮らしの場合は見守り契約を考える。 - 体が不自由になった場合
介護、看護をどうしてもらうかを決めておく
財産管理を誰かにしてもらう。財産管理契約 - 判断能力が落ちた時のことを考えておく
事前に任意後見契約、家族信託を活用する。
老後のすまい
自宅・賃貸住宅・老人ホーム等施設等があり、その特徴を知っておいてください。
- 自宅
固定資産税、火災保険料、修繕費が必要 - 賃貸住宅
必要経費 家賃×12か月×平均余命
(高齢になると新しく借りる場合、断られる場合がある) - 老人ホーム等施設
入居一時金
月額費用 : 月約十数万円
認知症高齢者の現状
※厚生労働省(平成22年)の認知症高齢者の現状の資料
また、平成26年6月1日の厚生労働省研究班発表
65歳以上 462万人(認知症有病者) +予備軍380万人=842万人
〈参考資料 1〉
厚生労働省の研究班によると、2012年時点の65歳以上の認知症高齢者数は約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)でした。2025年には約730万人、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。また、65歳以上の高齢者層がピークになる2040年には、46.3%が認知症になる可能性も指摘されています。
〈参考資料 2〉当口座とは関係ありませんが、厚生省の資料に認知症者に対する対応が出ていたのでついでにアップしておきます。
※厚生労働省(平成22年)の認知症高齢者の現状の資料
認知症が発症したら財産管理はどうなるのでしょうか。
- 預貯金凍結
本人の意思確認ができないと定期預金の解約はできません。 - 不動産売買ができない
- 契約行為(賃貸借・発注等)ができない。
知らない人が約6割だそうです。
成年後見制度・家家族信託
成年後見制度は上記のようなことがないように、契約代理や財産の管理処分を代わりに行われるように後見人を選任する制度です。
家族信託は信頼する家族に財産を託し、自分や家族のために管理してもらう仕組みです。
これらについては省略します。
エンディングノートを作ろう
エンディングノートとは自分の人生を振り返り、自分の過去、現在、将来について書き記すノートです。
【記載内容】
- 人生・自分史(生まれ、学歴、職歴、家族等)
- 資産・負債
- 年金、健康保険、生命保険、損害保険
- 医療機関
- 看護、介護
- 葬儀、墓
- 形見分け、遺言
- 趣味、関係団体
- 友人リスト
等
下記質問、答えられますか。
子供や孫は知っていますか。
- あなたの親族を知っていますか。(親族間の間柄)
- あなたの親族の連絡先を知っていますか。
- あなたの交友関係を知っていますか。(家族)
- 持病とかかりつけ医を知っていますか。
- 体が不自由になったらどこで生活をしたいか。
子供や孫は知っていますか。
- 葬儀の方法をきめていますか。
- 子供は菩提寺をしっていますか。
- 墓をもっていますか。
- 子供たちは墓はどこにあるか知っていますか。
- 墓は子供たちに管理してもらいたいですか。
- 保有不動産、預貯金やクレジットカードを管理していますか。
- 保険、年金情報を管理していますか。
- 負債(借金、保証人)をわかるようにしていますか。
- 誰に財産を相続させるか決めていますか。
エンディングノート
今日の講座でエンディングノートの説明がありました。
講座では大分市のエンディングノートとは違うエンディングノート(マネーバランスクリニック)での説明でしたが、大分市のエンディングノートもあるのでそちらをアップしておきます。
なお、今回使用されたエンディングノートが気になる方は今日の参加者が原稿を持っておられるので、それをコピーしても利用できると思います。
大分市のエンディングノート
👉大分市高齢者の方へ エンディングノート(2021年9月アップ)