一昨年のふるさと祭りで見つけた能面、ちょっと気になっていたのですが、たまたま南の鶴田さんが作成しているということを聞き鶴田さんを訪ねてみました。
 南の鶴田さん、かっては郵便局の局長をしていましたが、退職し地区の自治会長をしていましたがそれが終わり能面つくりを始めました。
NHKの文化教室(2回/月)に参加し能面づくりの勉強をしました。半年に1作品を作成し、これまで作成した能面は20面になります。
 しかしNHKの文化教室が終了してからは作成を休止しています。

能面は能で使う能面と神楽で使う神楽面とは違うそうです。能面は安土桃山時代までに確立されその確立した60種類程ある見本(本面)を写すことで(平たく言えばコピーして)500年近く伝えてきた日本独自の伝統文化です。もとになる見本がある能面に対し、神楽面には特定の形はなく、神楽の演目に合わせて自由に独創的な面も作れるそうです。
鶴田さんは能面を作ってきました。

能面つくりの手順


 能面つくりをごく簡単に説明すると、素材となる檜(軽く、ゆがみが少ない、柔らかい)の角材を型紙に合わせて鋸やノミ、彫刻刀で削って形を作ります。出来上がったところで貝殻を材料とする胡粉(ごふん)という白色顔料を膠(にかわ)で溶いたものを重ね塗りし、最後にサンドペーパーで磨き上げます。彫り上がった能面は、日本画の絵の具で彩色し、毛書きをして完成となります。裏面には漆を塗ります。

能面つくりには面を彫る技術、面に目や鼻、髭等の彩色する技術も必要になります。面つくりは非常に奥の深いものがありそうです。鶴田さんが面つくりに引き込まれた気持ちがよくわかります。

能面の型紙

鶴田氏作品


これまで作成してきた能面を見せていただきました。ここにアップしているものはその中のほんの一部です。
               (左) 9番 翁       (右)12番 赤般若


              (左)16番 神功皇后    (右)今若


              (左) 15番 子牛尉    (右)深井

鶴田氏能面一覧

能面の種類

令和5年に大分コンパルホールで開かれた能面展のパンフレットを鶴田さんがお持ちだったのでそれをアップします。
その中に、54種類が出品されています。能面には数10種類の見本、元になる面があるそうです。その参考になるのではないでしょうか。