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豊後二見ヶ浦」は初日の出スポットとして有名です。
夫婦岩を結ぶ大しめ縄は、長さ約65m、重さ約 2トン、最大直径約75cmで、大しめ縄の長さとしては日本一だそうです。この大しめ縄を毎年12月第 2日曜日に張替えを行っています。

一度、その張り替えを見てみたいと出かけました。〈鶴崎支所からでは42km、車で1時間〉
昨夜から朝方まで続いた雨もやみ、午後からは晴れ間も見えてくるという天気予報が出ており、絶好のしめ縄日和になりそうです。
佐伯市立 東雲中学校の裏側駐車場に会場があります。東雲小中学校のグラウンドにはもう多くの車が停まっており、8時30分に着いた時にはもう始まっていました。8時から始めたそうです。

大しめ縄に使う藁が積みあげられていました。
ここでは福玉やしめ縄〈500円〉願い事札(100円が販売されていました。)
このしめ縄は東雲中学校の生徒が作ったそうです。

豊後二見ヶ浦の大しめ縄の始まりは?

地元のお年寄りと話をしていると、この大しめ縄の始まりを教えてくれました。その人の話によると、
地元の若者が関西の方に仕事で出ているときに、そこで見かけた岩同士を結ぶ大しめ縄を見て感激し、これをいつか故郷に帰って同じものを作りたいと思ったそうです。
<これは関西で有名な三重県伊勢市にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)の夫婦岩と大しめ縄(35m)のことだと思います。>
 故郷に戻った時、地元の野球部の人たちと一緒にこの大しめ縄を始めました。
(昭和44年開始とのことで、これまでに中止がなければ今年で56回目にあたります)
当初は地元の神社で作り、ここに運搬し設置していたそうです。
また、この大しめ縄に使うワラは、上浦町と長く交流のある荻町から提供され運ばれてくるそうです。
 そして、春には地元の東雲小学校が田植えに行き、秋には荻小学校が稲刈りをする交流もあるそうです。
今日も、荻荘の子供たちが応援に来ており、午後からは別の場所で交流会を行うそうです。
 かっては地元の有志や中・高校、大学等の多くのボランティアの参加者がいたそうですが、最近、みんな高齢になり、参加人数が減ってきているようで心配になるといっていました。
(今日は文理大生かはわかりませんが、留学生が数人参加していました。)
今日の参加者は300人から400人近くかな、と思われました。

※ 24日から年明けの4日までの午後5時半~10時(31日は1日朝まで)、ライトアップされる。元日は午前6時半ごろからニューイヤー花火が打ち上がる。





大しめ縄張替の一日

旧しめ縄の撤去から

新しめ縄づくりとともに、旧しめ縄の撤去作業も行われます。

旧しめ縄撤去前の夫婦岩

旧しめ縄撤去作業

旧しめ縄撤去完了

しめ縄用の藁の準備

荻町からいただいた藁を大しめ縄に使えるよう不要な葉などを取り除く「はかま取り作業」を行います。
一握りのわらを取り、はかま取りの器具や手で取り除いていきます。しめ縄の径が大きくなると必要なわらの量も多くなり、はかま取りも忙しくなってきます。

中学の屋根の下ではかま取り

地元の若者や、中学生、高校生が頑張っています。
留学生も頑張っています。
婦人会も頑張っています

しめ縄つくり

※(この図は私が想像で作成したもので参考程度に考えてください。)

しめ縄は三本を作成し、その三本を編み込んで一本の大しめ縄を作成します。
しかし、元になる三本も長いため、半分に分かれ、計6か所でしめ縄つくりをはじめます。
(図のように6か所に分かれ作業を行います。 概略図)
 最初に出来上がりの長さ以上のワイラーロープを張り、10センチ前後のわらの束をそのワイヤーの周りに巻いていきます。その時に中央になる部分が一番太くなるようにし、両端は細くなります。
そして、縄が緩まないよう麻縄をしっかり巻くことが大事だそうです。
太くなってくると巻く方も大変そうです。 

始まりました

稲穂の運搬

しめ縄の繫ぎ

わらとわらの間に、次のわらを押し込みます。ここでむずかしいのは、しめ縄の径を予定の太さに持っていくことです。

しめ縄の巻き付け

しめ縄のわらを麻縄でしっかりと固定していきます。これが縄の出来栄えを左右します。

しめ縄の中央部

しめ縄の一番太い部分に達しました。

願い事札」の編み込み

豊後二見浦の大しめ縄つくりでは、「願い事札」をしめ縄の中央部に編み込みます。
これはさきの本部の売店で100円で販売されていたもので、その前のテーブルで一年間の願い事を書き、受付に渡しておきます。
 このしめ縄に「願い事札」が編み込まれと何か実現しそうな雰囲気になります。私もお願いしようと気づいた時にはもう終了していました。

参加者にはカレーライス。休憩と昼食 

長い列の先で、荻小学校と東雲小学校の子供たちが配膳をしていました。
私はなにも仕事をしていないので食べられるのかと心配しましたが、無事にいただけました。
そして、海風の吹く寒い中での食べた今日のカレーは特別美味しく感じました。(我が家のカレーを除いて)

最後の繫込み

3組が二つに分かれて作っていたしめ縄を最後に繋ぎます。

しめ縄の仕上げに整形です。

出来上がったしめ縄の、はみ出た稲穂の端を挟みで切り取っていきます。

東雲小学校と荻小学校の子供達が一緒に作業をしています。

完成後、大しめ縄張替えのお祓いが斎行されます

大しめ縄の移動と設置

大しめ縄の編み込み(三本を1本に)

最後に一本の大しめ縄にします。

大しめ縄の編み込み (動画)

3本のしめ縄を1本のしめ縄にする動画です。これだけの長さと重さのしめ縄をいかにして左巻きにしていくかをご覧ください。

大しめ縄の編み込みの仕上げ

一本になった大しめ縄の下に丸太を敷き、出来上がった大しめ縄を緩まないように麻縄で締めていく。

移動準備完了

移動と張替え

移動

張り替え

夫婦岩の海側で作業をしていた人たちが船で戻ってきました

大しめ縄の移動

大しめ縄を夫婦岩まで運ぶ様子は見ごたえがあります。なかなかみられるものではないと思います。



取り付け完了