鶴瀬・丸亀地区では昭和18年9月の堤防決壊箇所あたりを国交省が数年前から補強工事をしています。
 例年は秋以降に大野川の中に鋼矢板の打ち込みや、堤防の補強ブロックを設置していたのですが、今年は例年より早く開始しているようです。
あの広い大野川の中でブルドーザーがその姿を隠すほど水につかって河床掘削作業をしていました。
 国土交通省大野川出張所の所長の話ではこの水中ブルドーザーは全国でも数台しかなく水深7mまで作業ができるそうです。今は浅瀬の作業ですが、本格化すればブルドーザーの上に出ている排気口がわずかにしか見えないほど水に使って作業をするそうです。
 今年の作業計画はこの区間の鋼矢板の裏の盛土と、堤防前を長年の洪水で深く掘りこまれた箇所の盛土だそうです。


令和5年度までの堤防補強工事〈令和5年3月撮影〉

水中ブルドーザー  

コマツの155W-1水陸両用ブルドーザーの仕様と説明

この機械はコマツのD155W-1という水陸両用ブルドーザーです。また、この機械はカタログを作成された時点では日本に5台しかなく青木あすなろ建設が専属で使用しているようです。
ホームページにのせられている青木あすなろ建設のカタログから仕様説明の概略をアップしてみようと思います。

重量     陸上43.5t 水中 27.9t
最高速度   前進6.5m/h 後進7.7m/h
最小旋回半径 3.8m
エンジン   コマツS6D155ー74J 19260cc

水陸両用ブルドーザは、浅水域を作業領域とする水中掘削機械です。
水密化による水中仕様とラジコン操作機能を組み合わせ開発実用化されました。
過去に国内外含め36台が製造・販売され、当社が保有する5台のみが現存しています。
港湾・漁港の浚渫(しゅんせつ)工事をはじめ、河川の河道掘削、離岸堤、
人工リーフなどの海岸工事に採用されています。
特に、近年の災害に対する復旧工事にも幅広く活躍しています。
施工実績では国内で1200件以上にのぼり、施工ノウハウの蓄積を重ねています。

  • 浅水域で威力を発揮    
      作業船や陸上機械による作業が困難な水深7mまでの浅水で威力発揮をできる。          
  • 無線遠隔操作で安全作業  
     オペレーターは搭乗せず陸上からの無線遠隔操作でオペの安全を確保できる
  • 土砂を逃さず運搬・押土  
     改定解消を走行し排土板で面的に仕上げることで掘削精度が高く世彫りも少なく経済的である。

     詳しく見たい人は下記をクリック
    👉青木あすなろ建設〈水陸両用ルドーザー〉

水陸両用ブルドーザーの作業状況 (高田側から見る) 

  〈撮影 2024-09-17〉

水陸両用ブルドーザーの作業状況 (川添側から見る)

〈撮影 2024-09-17〉

作業計画

現在の宝塔様あたりがこれまでの洪水で堤防部が深く掘削されているため、川添側に堆積している土砂を使って埋め戻しを行います。

番外編   台風11号の影響は?

台風11号で増水したことにより、被服ブロックに跡形が残っています。

大津留側護岸ブロックの様子 〈撮影9月17日〉

台風11号 大津留側の様子  〈8月29日撮影〉